ニューロンシミュレータSPINEを作りました
はじめに
このブログを更新するのも久々ですね.
世の中はCOVID-19のせいで色々と自粛モード(投稿時現在)ですが,みなさまいかがお過ごしでしょうか?
私も在宅で研究活動をし,リモートでゼミを行うという日々を過ごしています.
通学時間がなかったり,今年からバイトをやめてしまったので時間が有り余っています.
そこで,これを機に今まで避けていたことを勉強しようと思い立ちました.
ニューロンの数理モデルの話
私の研究分野はスパイキングニューラルネットワークというマイナーなものなのですが,神経科学の分野にも若干足を踏み込んでいます.
そう言った話を勉強していると度々,神経細胞を数理モデルとして表現する,という話題が出てきます.
ニューロンの数理モデルはたくさんあるのですが,神経科学の世界では深層学習で使われているようなニューロンモデルとは様子が違います.
わかりやすく言えば,AI界隈が使うニューロンモデルよりずっと複雑です.
Hodgkin-Huxleyモデル
ニューロンモデルの中で,一番複雑なモデルとしてHodgkin-Huxleyモデルというものがあります.
こいつは,なんと10個の方程式からなるニューロンモデルで,神経細胞膜に存在するイオンチャネルを3種類まで再現した変態モデルです.(変態なんて言っちゃいけないね)
で,それを勉強してPythonで実装したのですが,これをなんとか再利用する形にできないだろうかと考えました.
Hodgkin-Huxleyニューロンモデルを実装してみる - Qiita
そこでPythonパッケージ化してしまおう,という考えに至ったわけです.
SPINE
キャッチコピーは
SPINE is a simple Spiking Neuron simulator
まあその言葉の通り,シンプルなニューロンシミュレータですよ,って感じです.
この言葉は嘘ではなく,マジで必要最低限のコードしか書いていないです.
対象者は,神経科学入門者,スパイキングニューラルネットワーク入門者です.
ちなみに日本語ドキュメントは,spine.hirlab.netで,
コードはHiroshiARAKI/spine: SPINE is a simple Spiking Neuron simulatorです.
本記事はこのパッケージの紹介用のもので,詳細は上記ドキュメントを読んでくれると幸いです.
おわりに
SPINEの紹介用記事でした.
ロゴもパッと思いついたものなんですが,個人的には意外とイケていて気に入ってます.
名前はただの略称なんですが,Spineって「脊椎」って意味らしいですね.
近いような近くないような...
まあいっか,ってことで名前もSPINEとしました.
何かと被っていそうですが,まあ商用とかでもないので良いでしょう.
みなさん是非いじってみてください〜.
おわり.