ラズパイ4でUbuntu 20.04は快適に動作するのか?
はじめに
ラズパイ4はCPUとメモリが大きくアップデートされ,ラズパイの使い方が大きく広がりました.
OSもRasberry Pi OS (旧 Raspbian) だけではなくUbuntu Server + Desktopを入れたりする人も増えたと思います.
今回は,本当にラズパイ4 × Ubuntuは本当に快適なのか?という視点から記事を書いていきます.
何を持って快適とするか
これは,主観的な定性的な評価が大きいので,なんとも結論しがたいのですが,今回は以下の評価軸を設けて,判断していきます.
- CPU使用率
- メモリ使用率
- 筆者の主観的評価 (100点満点評価 + コメント)
上二つは定量的な評価で最後は主観の入った定性的な評価です.
また,筆者の評価は「デスクトップマシンとして使った時」の評価です.
ラズパイをWebサーバやファイルサーバ,オモチャ,IoT機器として使った場合は考慮していません.
それらの使い方をするならばラズパイ4はコスパ含め優秀マシンだと思います.
環境条件
今回は共通条件として,コアOSはUbuntu Server 20.04 LTSを用いて評価します.
ラズパイは4GBモデルです.
デスクトップ環境は
- Ubuntu Desktop (いわゆる普通のデスクトップ環境)
- Ubuntu MATE Desktop (ラズパイ3時代から人気の軽量デスクトップ)
の二つを評価します.
(Lubuntu Desktopはいつか気力があったらやります.)
そして,以下の3つの条件のもと快適評価を行います.
- 何もソフトを立ち上げていない状態 (システムモニターだけ)
- Firefoxのみ立ち上げた状態
- Firefox + PyCharmを立ち上げた状態
(PyCharmとはJetbrains社が提供する超いい感じのIDEです)
以下は,結果にどれだけ関係あるか分からないものを含め,その他の共通条件です.
- 解像度 : 4K 3840×2160, 200%表示 (1920× だとより快適にはなると思うがこれは筆者のこだわり条件)
- ネットワーク : Wi-Fi
- 周辺機器 : キーボード,マウス共に有線接続
結論
最初に定性的な結論だけ言います.
- Ubuntu (65/100点) : PyCharmまで使用すると結構不満は溜まるけど,ネットサーフィンくらいなら我慢できる.デスクトップとして酷使しないなら全然アリ.デスクトップも使いやすい.
- MATE (75/100点) : PyCharmを立ち上げてもまあ動くがストレスは溜まる.個人的にはこっちの方がオススメと言えばオススメ.正直思ったよりUbuntuと大差ないと感じたが,まあ軽量さは感じる.
こんな感じです.
あとは,この評価に至ったまでの過程を書いていきます.
何も立ち上げていない状態
いわゆるアイドル時の評価です.
Ubuntu
4つのCPUコアがいずれも4割~6割と高いCPU使用率が目立ちます.
やや,上下していますが観察してみると,いずれかのCPUコアが60%前後で他は20%~35%程度に落ち着く形が平均的です.
メモリは1.1GiB(≒1.18GB)と,案外普通の使用量かと思いますが,この時点でもし1GB / 2GBモデルだった場合かなり厳しそうです.
MATE
次にMATEですが,こちらはUbuntuと比べCPU使用率はかなり低めです.
メモリ使用量もやや低く981.1MiB (≒1.03GB)です.
筆者評価
この状態では両者ともに,特に不満はないがスクリーンショットを取得するのに異様に時間がかかる...笑
Ubuntu側のCPU使用率は結構頻繁に上下する.
今のところ普通.
Firefoxだけ立ち上げてみる
次に検索エンジンのFirefoxを立ち上げます.
ちなみにタブは一つ.
Ubuntu
なんかグラフと数値が一致していない気がするが,平均的にみると,どのCPUも40%~60%あたりを行き来する感じに.
メモリ使用量は1.5GiB ~ 1.7GiB くらいに落ち着く(上図は立ち上げた直後に撮ったのでやや高い).
MATE
CPU使用率は依然として低く,余裕がある結果に.
メモリはUbuntuに比べ低いが大した差はないように感じる.
筆者評価
この時点でも,どちらも不快はあまりない.
ここまでならば,デスクトップがかっこいいUbuntuを使った方がテンションが上がる.
PyCharmを使う
次にIDEであるPyCharmを立ち上げます.
PyCharmが自動生成したFlaskアプリを実行しての評価をします.
なお,Firefoxは立ち上げたままです.
Ubuntu
うおーー,CPUが火を吹くぜ!!!
まあ,CPUは火吹かないけどかなり高いCPU使用率になった.
それでも100%行かないのはなにかしら制御されているのだろうか,よく分からない.
メモリの使用量もグッと増え2.5GiB (≒2.68GB)に.
まあ...使えるけど結構厳しいね.
MATE
さすがMATE,CPUはまだ余裕がある.
メモリはUbuntuと大した差はないが,やや低い程度.
でも,やはりPyCharmは重い.
動作はサクサクとは言えない,補完はちょっと遅いしストレス溜まるけど,使えると言えば使える.
ここまでくると,こういう使い方は想定されていないとわかってるくせに酷使する我々が悪い.
ラズパイ,ごめんよ.
筆者評価
UbuntuはCPUが可哀想になるが,MATEは比較的余裕 (比較的ね).
でもどちらにせよ,いずれもPyCharmが動いている,すごい.
こんな使い方する人がいるのだろうか,いるとしたらMATEをお勧めする.
いや,こういう使い方はラズパイでお勧めしない.
おわりに
今回はラズパイ4 × Ubuntuの快適さをまとめてみました.
...本当に上手くまとまっているのか,甚だ疑問は残るけど自己満な部分が大きいので広い心で見て欲しい.
結論としては所詮ラズパイ4もラズパイで,サーバー用途などで使うのが正しい,ということ.
サーバーメインでメンテナンス目的でデスクトップを入れるのなら,正直UbuntuでもMATEでもどちらでもいいと思う.
少しでもパフォーマンスを落としたくなければMATEを入れれば良い.
というかそれならRaspbianで良くね?
まああとは,MATEの方が自分でカスタマイズできる部分が多いので,そういうのが好きな人はMATE使ってみると良いかもしれません.
あと,ラズパイ関連の他の記事も是非読んでみてください!
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